『正しさ』って何ですか?〜地域を1つの大きな家族に〜」。〜常識から離れて考える重要性。
第45回共創カフェ@やまとを開催しました。
テーマは「『正しさ』って何ですか?〜地域を1つの大きな家族に〜」。
講師は菅原健介氏。地域活動法人ぐるんとびー代表。
デンマークで、中学・高校生活を送る。
帰国後、大学を卒業して、IT系の広告代理店に勤める。
しかし、何となく自分の進む道がこれで良いのかと悩み始める。
そんな時に、ひょんなことから理学療法士になることを決断。
何とか国家試験に合格し、病院勤務も経験する。
その後、東日本大震災のボランティアを経験したのが、大きな転機に。
現場では専門職よりも、キャバクラのお姉さんの方が被災者の話を聞いて、安心感を与えていた。
理学療法士という資格に捉われずに、もっともっと自分にできることがあるのではないか。
そんな思いで、小規模多機能型居宅介護施設をUR団地内に開設。
ぐるんとび〜の名前の由来はデンマークの父、教育者で牧師のニコライ・F・グルントヴィ。デンマークの常識を変えた人。
「困っても何とかなる!」
そんな「人」がいる「街」に住みたい。
常識を変える
正しさや常識なんて、時代や場所でいくらでも変わる
「正しい」を固定化させず、ALWAYS WHYで考え、その瞬間での「最適解」を更新し続ける。
そんな中で僕らが向き合う社会は前例のない社会
自分で考え、行動できるクリエイティブな人財が求められる時代
ぐるんとび〜には多くの子供達がやって来る。
ある時、スタッフが子供達に「靴をちゃんと並べなさい」と叱りつけた。
健介さんはスタッフに問いかける「ちゃんとした並べ方ってどんな並べ方?」
スタッフは、玄関の段差に沿って横一列に靴を並べた。
他のスタッフから、「それって、私の『ちゃんと』と違う」との声。そのスタッフは、縦一列に靴を並べた。
ある人の「常識」が、他の人の「常識」とは限らない。
ぐるんとび〜の職員会議では、この靴の並べ方で2時間の会議を行った。
何のために、靴の並べ方でこんなに議論するのか??
それは、一人一人に合わせた生活を送ってもらうため。
支援する側の常識にとらわれないケアを行うため。
その人らしく生きてもらうため。
健介さんは、ケアプランすらいらないのではないか?と参加者に問題提起する。
「皆さんはケアプランに基づいて生活していますか??」
ぐるんとび〜では、決められたスケジュール通りに1日が進むことは稀だ。
でも、これはぐるんとび〜に限らず、どんな施設でもあることだ。
しかし、施設側の都合から、無理やり利用者をスケジュールに合わせようとしていないだろうか??
健介さんの話を聞いていると、縦割りで私たちの生活を縛ってしまう制度とは何のためにあるのだろうか?と考えさせられます。
彼が見据えるのは、世代も性別も障害のあるなしも関係ない、みんなが支え合える人に根ざした街。
我々の常識で聞いていたら、突飛に聞こえることも多い健介さんの話ですが、自分たちの思い込みである「常識」から離れて物事を考える大切さを教わりました。