福祉の人がもう少し視野を広げてみると〜福祉が変わる、教育が変わる、縮退社会のまちづくり〜リノベーションという考え方〜第41回共創カフェ@やまと
第41回共創カフェ@やまと
講師は、伊藤大貴さん。パブリックアフェアーズ・コンサルタントで、元横浜市議会議員、元日経BP記者を務めてこられてきた方です。リノベーションや街づくりにかかる政策を全国的にも最も熱心にやってきた議員の一人です。
テーマは、「福祉が変わる、教育が変わる、縮退社会のまちづくり〜リノベーションという考え方」です。
縮退社会とは、今までのように人口が増えていくわけでもない、右肩上がりでもない、建物をどんどん建てていけるわけでもない、そんなニュアンスの社会。
街づくりというと、大規模資本のゼネコンが開発するというイメージがありますが、リノベーションにおける街づくりは少し違う。
かつては人気のあったトンカツ屋さん、街自体も高齢化し、段々と来る人も減っていって、閉店した。
人は歳をとると外食をしなくなるし、脂っこいものは食べなくなりますよね。店が閉店したのは、大規模店舗ができたからではなく、店のあり方が街の変化に合わなくなったからではないだろうか。
閉店したトンカツ屋をある建築家がリノベーションをし、店舗スペースを角打ち屋にして、二階の住居スペースは宿泊できるようにした。しかもお風呂なし。近所の銭湯にいってください。
結果。。。
2階の宿泊スペースは、宿泊料が1万円以上もするのに、外国人もたくさんきて、それだけで月100万円前後の売り上げが上がっている。昼間から飲める角うちも若い人も来るようになった。
なんの価値も生まなかった薄汚れた廃店舗が、今まで以上の価値を生む。
ただし、ここで注意点。ちょっとできる人は、リノベの視察をして、上辺だけをなぞって、空き家を小ぎれいにリフォームをすれば事足りると思ってしまう。
でも、人がこない「リフォーム物件」は少なくない。
リフォームとリノベーションは似ているようで異なる。
機能やストーリーに着目することが大切。
スクラップアンドビルドも良いけれど、今ある社会資本を生かす街づくりもあるのではないだろうか??
これって、
単純な資本の論理では出てこないアイデア
単純な資本の論理では実現しないアイデア
ただ、大資本による街づくりとリノベーションによる街づくりは二律背反するものでもないとは、伊藤さんの弁。
私たちの街づくりに合ったより良いものを選んでいけば良い。
人が豊かさを感じる単位が変わってきてる。
障害者の作業所で作られた50円程度しか売られなかったキャンディーが、今では720円で売れるようになった。
パッケージをオシャレにしてみたり、売り方を変えてみた。
モノがいいから、「障害者が作ったものだから」という理由ではなく、売れるようになった。
他にもチョコレートを通じた似たようなプロジェクトも全国で展開されている。
障害者が作ったものだとは想像できないキャンディーやチョコを買って、結果的に障害者との接点ができる。
こういった工夫は、リノベーションの考えとも非常に馴染む。
福祉に関わる人たちも、もう少し視野を広げて創造力を働かせれば、もっと当事者の人たちの生きやすい支援をできるのではないだろうか。
伊藤さんのお話を伺って、痛切に感じました。
では、どうやってはじめるのか!?
伊藤さん曰く、「答えはない」
でも、、、こうも続ける。
まずは小さくはじめる(小さくても良いのでキャッシュが回り続けることも大切)。
自分がたのしく。
情報を発信する人のところに情報は集まる。
福祉の専門家ではない伊藤さんに、リノベーションや街づくりの視点から、福祉における大切なことを教わりました。
リノベーション、縮退社会というと福祉とは全く関係なさそうですが、このお話しは一聴の価値がありました。
話の中で、以前共創カフェ@やまとでお話頂いた安藤勝信さんのタガヤセ大蔵の話も触れられていました。